2021年3月、前立腺がんの放射線治療終了後、約4年が経過しました。 前立腺がんの場合、外科手術(全摘)や放射線治療を受けた後は、経過観察として定期的にPSA検査が必要になります。冒頭スクショが血液検査の結果報告書であります。最下段がPSA検査項目でですが、0.037ng/mlでした。前回0.033と比べて、ほぼ横ばいであり順調に推移しています。
私の場合、68歳からPSA検査で経過観察を開始しており、約10年後 早期発見の前立腺がんが発覚。「広島がん高精度放射線治療センター(通称HIPRAC:ハイプラック)」にて、2021年2月1日~3月29日まで、IMRT(強度変調放射線治療)による放射線治療(78Gy:延べ39回)を受けました。
放射線治療を受ける前、ホルモン治療を、2020年9月1日~2021年3月末まで7カ月間継続。放射線治療中の2か月間は、ホルモン治療と重なりました。一般的にホルモン治療で前立腺がんを縮小させた上で放射線照射を行います(詳細は当ブログ「前立腺がん治療日記」で紹介しています)。
放射線治療後は、広島大学病院にて3ヵ月毎にPSA検査を実施し、2年間(2023年3月まで)の経過観察。PSA値の推移が安定していることから、その後 紹介された泌尿器科医院(大学病院で一年半お世話になった担当医が独立開業)にて、半年毎にPSA検査を継続しています。
昨日、その泌尿科医院へ行ってPSA検査をしてきました。来月(3月)の予定だったのですが、事情あって1ヵ月繰り上げました。その事情というのは、便通は毎日あるものの、最近 排便時 拭き取るトイレットペーパーに血が付着することがちょくちょくあるようになりました。痛みはありません。
私はもともと痔主でしてw、約11年前に長年いぼ痔で排便時の出血に悩まされ、外科手術ではなくジオン注射(ALTA療法)で治療した経緯があります。昨年夏ごろ、久々の痔出血?でジオン注射を受けた医院に行って、診断して貰ったところ、痔出血ではなく直腸充血による出血の由。その時は処方された座薬治療で良くなったのですが、最近の出血も痔でなく放射線治療による後期副作用の兆候ではないかと思ったからです。
前立腺がん放射線治療は、前期・後期の副作用があります。急性期(治療中~終了後数週間まで)には、排尿困難(勢いがない、時間がかかる等)、頻尿、排尿痛、排便時の痛み出血などがあります。晩期(治療後数ヵ月から2年~3年以降)尿道狭窄、直腸出血などがあります。経過観察もしくは内科的治療で済む場合が多いのですが、まれに内視鏡による処置が必要になる場合もあるそうです。
放射線治療後、今まで際立った副作用はありませんでしたが、晩期副作用は数年後に起きるので、今回の出血も後期副作用ではないかと懸念したため、PSA検査を1ヵ月繰り上げてかかりつけの泌尿器科に行った次第です。内視鏡で診察した貰ったところやはりそのようでした。今後出血が拡大するようであれば、外科的処置も可能なので相談してほしいと言われました。
今のところ大出血ということはなく、ほんのわずかなので様子見ということになりました。ただ、大腸がんからの出血であってもいけないので、PSA検査とあわせて、腫瘍マーカー(血液内のタンパク質)検査をしてみようということになりました。採血翌日には検査結果が分かるので、昨日結果を聞きに泌尿器科医院に行ったという訳です。
PSA検査は、血中の前立腺がん腫瘍マーカーであるPSA(タンパク質)を測定するもので、検査結果は冒頭の通りですが、大腸がんにも腫瘍マーカー検査というのがあります。
腫瘍マーカー検査は、がんの診断の補助や、診断後の経過観察、治療の効果判定などを主な目的として、腫瘍マーカーの測定を行う検査です。冒頭の検査報告書の最下段から二行目のCEA(癌胎児性抗原)が、大腸がんの腫瘍マーカーの検査結果です。3.3ng/ml(5.0以下が正常値)なので、問題はありませんでした。単位はPSA検査値の単位と同じです。
CEA(癌胎児性抗原)は、大腸がんの腫瘍マーカーとして用いられる物質で、CLIA(科学発光免疫測定法)によって測定することができます。CEAは、大腸がん、胃がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、子宮がんなどの腫瘍マーカーとして利用されているそうです。CEAの基準値は0~5.0ng/mLとされています。
放射線治療後のPSA値推移
*2021/03/29 放射線治療終了(広島大学病院 HIPRAC 2ヵ月間39回)
*2021/06/11 PSA値 0.147(ng/mL)
*2021/09/10 PSA値 0.092
*2021/12/10 PSA値 0.160
*2022/03/04 PSA値 0.147
*2022/06/03 PSA値 0.098
*2022/09/02 PSA値 0.065
*2022/12/05 PSA値 0.054
*2023/03/06 PSA値 0.042
*2023/09/04 PSA値 0.040
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*2024/03/04 PSA値 0.041 開業医にてPSA検査
*2024/09/12 PSA値 0.033
*2025/02/27 PSA値 0.037
前立腺がんは、男性の罹るがんで罹患率1位です。60歳以上の人はPSA検査をお勧めします。進行の遅いがんですが、外腺に発生するので、近くにあるリンパ腺や骨に転移し易く自覚症状が出た時は手遅れになります。二人に一人ががんに罹る時代。早期発見・早期治療で人生100年を生き抜きたいものです。