2025年3月24日より、マイナ免許証の運用が開始されます。つまりマイナンバーカードが運転免許証として利用できるようになります。マイナ免許証は任意なので、従来の運転免許証も引き続き利用可能です。今回の制度には、メリットとデメリットがあります。特に、70歳以上の高齢者には何のメリットもありません。
結論を言えば、少なくとも70歳以上の高齢者は、今回のマイナ免許証への切り替えはせず、従来の運転免許証の保有のままをお勧めします。
マイナ免許証とは、運転免許証情報(免許証番号・有効期間・免許証の種類・眼鏡等の条件・顔写真)をマイナンバーカードのICチップに記録されたものです。「身分証明書」と「運転免許証」の機能が1枚持ちで済みます。すでに健康保険証と紐づけされた人は、3枚が1枚持ちで済むことになります。
運転免許証の所有形態は3種類あり
* 従来の運転免許証のみ
*マイナ免許証のみ(1枚持ち)
*運転免許証とマイナ免許証の両方(2枚持ち)
マイナ免許証のメリット
1. 免許証更新時の講習がオンラインで受けられる。
2. 役所への住所変更届け出(ワンストップ)で、免許証の住所変更手続きも終了。
3. 免許証更新時の交付費用が安くなる。【*従来の更新手数料2,500円+講習会手数料】
マイナ免許証 (2,100円)、従来の運転免許証 (2,850円)、両方2枚 (2,950円)
この他に免許証情報記録手数料とオンライン講習料が加算されます。
【*講習会手数料 ⇒ 優良運転者:500円、一般運転者:800円、違反運転者:1,400円】
マイナ免許証の更新手数料は締めて3,800円(2枚持ち4,650円)更新時以外は1,500円のみ。
*免許証情報記録手数料:1,500円
*更新手数料:2,100円(2枚持ち2,950円)
*オンライン講習手数料:200円
マイナ免許証には、マイナンバーカードの有効期限と運転免許証の有効期限が別々に存在します。有効期限が来た場合は、それぞれ更新手続きが必要です。現在のシステムでは、マイナンバーカードを更新をすると、免許証情報が引き継がれず、再び免許センター(又は所轄警察署)に行って「一体化」の手続きをする必要があります(免許証情報を自動的に反映するのは、今年の秋になるそうです)。
例えば、システム改善前にマイナ免許証だけを持って車で役所に行き、マイナンバーカードの更新を行うと、その時点では免許証の情報が引き継がれていないため、帰り道では免許証不携帯の状態になってしまいます。なので、有効期限が近い人は、マイナンバーカードの方を先に更新した後に、マイナ免許証にした方がよさそうです。
また、マイナ免許証は、有効期限が表記されていないため、免許更新日が分かりづらく、うっかり忘れて免許証不携帯になりかねません。運転免許証の更新が近くなった際には、従来通りハガキでの連絡はありますが、更新日が近づいていると認識していても、ハガキを持ち歩く訳ではないので、多忙からうっかり忘れる人はいるかもしれません。
従来の運転免許証であれば、見たい時にすぐ確認できるし、折にふれ目につくので、体験上 更新日は頭に入っているものですが、マイナ免許証ではマイナポータルにある専用アプリで読み取って有効期限を確認しなければなりません。アプリにより更新日を通知で知らせる設定は出来るそうです。一般的な高齢者には無理な話で面倒だと思います。
メリットと言われているオンライン化講習も、70歳以上の高齢者は 「高齢者講習(現行6,450円)」を受けるので、更新時の講習を受ける必要がありません。リタイアした高齢者には転勤もなく、役所に住所変更届け出のワンストップサービスも利用することは無し。
講習がオンライン化されても、視力検査や適正検査などは免許センターに行かないといけないので、多少の時間が短くなるだけのこと。私の場合、ゴールド免許なので、受付開始から運転免許証交付まで約30分で終了します。マイナ免許証に切り替えても、更新時費用はさほど変わらず、リスクが増えるだけで何のメリットもありません。マイナンバーカード(健康保険紐づけ済)は、病院に行くなど必要時以外は持ち歩いていません。身分証明は、外出時に持ち歩く運転免許証で用が足ります。
マイナ免許証(1枚持ち)を紛失した場合、マイナンバーカードの再発行とその後免許センター(又は所轄警察署)への一体化の手続きが必要。マイナ免許証の即日発行(従来の運転免許証は可能)なんて言われていますが、数日間の免許不携帯はさけられません。運転に従事している人はとてもリスクを負います。