VHSデッキの生産終了と相まって、2025年には、耐用年数20年と言われているVHSテープ劣化により、思い出の映像が見られなくなる可能性が出てくると言われています。いわゆるVHSテープの「2025年問題」であります。
2019年(令和元年)国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、「2025年までにデジタル化しないと見られなくなるかもしれない」と警告した内容が、今年に当たるため話題になっています。VHSテープの再生機器や部品は急速に姿を消しており、生産ピーク時(1998年)に購入し、且つ録画したVHSテープの劣化が予想される令和7年ごろに、映像が見られなくなる懸念があることから、注意・喚起が行われた事が発端になっています。
1976年(昭和51年)9月に誕生したVHSテープとビデオデッキですが、劇場でしか見られなかった映画が家庭で気軽に楽しめたり、テレビ番組の録画・再生が繰り返しできることから、一般家庭に広く普及しました。しかし、2000年代に入ると、記録媒体はより高画質で記録できるDVDに取って代わるようになりました。
2008年(平成20年)日本ビクター(現JVCケンウッド)が、VHSビデオデッキの生産終了を発表。その後、唯一VHSビデオデッキを生産していた船井電機も、2016年 (平成14年) 7月に生産終了となりました。
ちなみに、シェアを争ったソニーのベータ方式ビデオデッキは、1975年(昭和50年)5月に発売開始、生産終了は2002年(平成14年)でした。シェア競争はVHS陣営に軍配があがりました。その後、ソニーもVHSビデオデッキの生産を始めました。
映像の保存・記録媒体はDVDから、さらにブルーレイディスク、HDDやフラッシュメモリに変遷。VHSビデオデッキの生産終了から9年~現在 再生用VHSデッキが入手困難であるため、家族の思い出の詰まった貴重なVHSテープのデジタル化は、業者に依頼するしか方法がありません。今年はVHSテープのデジタル化に拍車がかかりそうです。
尚、VHSテープ癒着・カビ等で保存状態が悪い場合、正常な再生ができませんのでデジタル化は出来ません。テープ再生ですので、デジタル化には再生時間と同等にかかります。
我が家には、冒頭に紹介しているSLV-R350型VHSビデオデッキ(2000年7月購入)と、別に一台SRV-R555型VHSビデオデッキ(2002年1月購入)があり、日ごろからメンテナンスをしていますので、2台共にリモコンと合わせすべて正常に機能しています。一方がBSチューナー内蔵ですが、アナログチューナーですので、デジタル放送の現在何の役にも立ちません。再生・録画機能は可能ですので、我が家にあった要保存のVHSテープのデジタル化はすべて終了しています。
余談ですが、テレビ番組のタイムシフトのほかに、大の映画好きですので、レンタルショップから映画タイトルの市販VHSテープを借り、いつも新作ばかりを借りていましたので、保存しておきたい映画は、返却前にダビング(コピーガードを解除w)していました。老後に楽しむためと現役時代から、こつこつと映画をビデオライブラリとしてコレクションしていました。映画だけでVHSテープ約700本ありました。当時は、自分で楽しむ場合、映像のコピーガード解除は合法でした。
VHSテープの前は、同じくβテープでも700~800本ダビングしました(私ソニーOBですので)。DVD/BDの普及で、画質の悪さから、βテープはすべて、VHSテープは約50本を残してすべて廃棄しました。その後、懲りずDVD/BDにもショップから借りた1000枚近くのセル版DVD/BDをコピー。
時代の流れには逆らえず、サブスクによりインターネットで高画質(HD・4K)の映像が見られるようになり、劣化で見られなくなったDVDもありほぼ半分を廃棄しました。時代と共に技術の進歩は目覚ましいものがあります。せっせと労力とお金をかけたダビング作業はなんだったのかと思っていしまいますw 全く無駄になりました。
DVD廃棄のきっかけは、15年以上経過すると記録面劣化により再生できなくなった事が大きいです。ロットによりますが、特にTDK製DVDがひどいです。BDもすべてではありませんが、15年以上経過すると、数枚ですが一部再生できないものがあります。DVDはハードケースに入れ立てて保管、除湿剤と風通しの良い扉のある書庫に保管しているのにです。
DVD記録面が損傷や変色している訳でもなく、とてもきれいなのに再生できないのです。アルコール(100%メチル)で記録面を清掃しても再生することはありません。尚、ブックタイプのDVD収納はもっと劣化がひどく、15年以上経過のDVDは、ほぼ全滅(TDK製)でした。
中でも太陽誘電・マクセル・三菱製のDVDは20年以上経過しても劣化がなく優秀でした。ソニーは太陽誘電のOEM製品の筈ですが、一部再生できないものがありました。
DVD/BDは、磁気テープにとってかわる記録媒体ですが、歴史が浅いため過信は禁物です。貴重な映像は、HDDおよびDVD (又はBD) にダブル保管をお勧めします。但し、DVD/BDは安全を期して10年毎の焼き直しがベストです。
DVD/BDと同じ環境で保管しているVHSテープは、20年以上(24年~31年)経っているのに、今も正常に再生できることに驚いています。保管環境がよければ60年の歴史をもつ、磁気テープの耐久性の方が上なのかも。
「IO DATA製GV-USB2型ビデオキャプチャー」を使ってアナログ映像をデジタル化できます。