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静岡・3歳女児バス置き去りの理事長会見は腹立たちさしかない


《2022/9/8 中国新聞記事》

静岡県牧之原市の「川崎幼稚園」で3歳の園児が送迎バスに5時間も置き去りにされ、熱中症で死亡した事件は、テレビや新聞など多くのメディアで報道されました。理事長の記者会見をみて、腹立たしく思ったのは私だけではないと思います。分別のある人間が見れば。全く誠意の感じられない会見であったことは明らかです。

何ですか、あの理事長の会見は・・・用意された原稿の棒読みで謝罪する無神経さは、誠意を感じるどころか、腹立たしさが増すばかりです。遺族ならなおさらだと思います。せめて自分の言葉で謝罪するならまだしも、理事長の謝罪態度には1ミリも誠意が感じられません。

バスの運転業務に不慣れだったとか、理事長(園長)の立場上、習性で他人に任してしまうところがあった等々、終始言い訳ばかりで、副園長の4つの問題点も、事故が起きたあと言われてもなぁ、分かっていたら最初からやれよと言いたい。今更言っても何の意味もなさない。まさにずさんな管理から生じた人災であります。

保育施設の送迎バスの置き去りについては一年前にあったばかり。福岡県中間市で昨年7月、保育園児がバス内に取り残され、熱中症で亡くなっています。理事長(園長)は、その時の週刊誌記事を幼稚園スタッフ全員に配布したそうですが、何の教訓にもなっていなかったということです。

理事長(園長)たる者は、幼稚園における基本業務や遵守事項は、常に頭の中にないといけないし、スタッフに指示・命令出来る立場でもあります。バスを降りるとき、同乗した派遣社員が園児の点呼・確認をしなかったとは驚きですが、人任せであったとしても、理事長が派遣社員に点呼・確認をするように、ひと言指示しおけば事故は防げました。これがダブルチェックであり、一方が抜けてもどちらかが補完することで、ヒューマンエラーを防ぐごとができます。

逆も然り。理事長が不慣れで気がつかなかったとしても、派遣社員が乗降時、点呼・確認という基本業務を励行しておれば、全く問題ありませんでした。ところが二人とも何もしなかったのは大問題ですが、園児が教室内に入ったところで保育士の点呼・確認する~結果により父兄に連絡するなど、スタッフ間で連携をとる体制になっていれば同様に防げます。アプリを利用して電子化しても、操作は人間がやるので、ヒューマンエラーはゼロにはなりません。二重三重のチェックシステムが必要なのです。

確かに人手不足も問題ではありますが、それ以前に父兄から大事な園児の命を預かっているという危機管理とスタッフ間の情報共有が必要です。ひとり一人の危機意識が、決められた業務励行に繋がる訳ですから。

同乗していた園長と派遣社員は共に70代という・・・長い人生から「亀の甲より年の功」と言われる年齢。たとえ不慣れなバス運行業務だったとしてもそこは年の功、見識ある高齢者であれば、長い人生経験から仕事に対して慎重にもなるし、点呼・確認は言われなくても出来た行動の筈。

同乗していた二人が共に、乗車した園児の人数を確認することなく気にも止めなかったとはアホとしかいいようがない。何のための二人乗車だったのか理解していないし、その無神経さに腹が立つ。園児が下りた後、バス内の後部まで歩いて引き返すことがそんなに難しいことなのか。

記者会見で「今回の置き去りは、たまたま起きたのか、それとも起こるべきして起こったのか」とう記者の質問に「両方だと思います」と理事長。よく言うよ。日ごろのずさんな管理体制によるもので、間違いなく怒るべくして起きた事件です。上半身の服を脱ぎ、満杯の入れた水筒の水が空になっていたという~両親の悲しみはいくばかりかと思います。もう千奈ちゃんが生き返ってこないので、理事長は遺族に対して民事・刑事ともにしっかり償ってほしいと思います。