2021年3月、前立腺がんの放射線治療終了後、3年6ヵ月が経過しました。前立腺がんの場合、外科手術(全摘)や放射線治療後は、経過観察として定期的にPSA検査が必要になります。私も治療後の最初2年間は広島大学病院にて3ヵ月毎に検査。検査値推移が安定していることもあり、その後は紹介された近所の泌尿器科医院にて、半年毎にPSA検査を行っています。
先日、その泌尿器科医院に行って検査をしてきました。この医院は大学病院の担当医で、1年半お世話になった先生です。その後 独立開業されました。開業されることは大学病院に在任中お聞きしていましたが、再会するとは思ってもいませんでした。大学病院担当医から開業された場合、こういう流れが、病状により医療分業として確立できているのだと思います。
大学病院ではその日のうちに検査結果が分かりますが、検査結果が分かるまで2時間近く待たされます。個人医院では検尿およびエコーによる前立腺のチェック(肥大はなく正常な大きさでした)の後、採血をして、PSA検査結果は翌日判明。待つことなく翌日以降の出直しだけでいいのでずいぶんと楽になりました。
ここでは2回目のPSA検査になりますが、半年前の前回値は、そのまた半年前の値よりわずかに上がったので、下げ止まりかなと思っていましたが、さらに下がってPSA検査値0.033でした。おかげさまで順調に推移しています。さらなる下降にびっくりです。
放射線治療後のPSA値推移
*2021/03/29 放射線治療終了(広島大学病院 HIPRAC 2ヵ月間39回)
*2021/06/11 PSA値 0.147(ng/mL)
*2021/09/10 PSA値 0.092
*2021/12/10 PSA値 0.160
*2022/03/04 PSA値 0.147
*2022/06/03 PSA値 0.098
*2022/09/02 PSA値 0.065
*2022/12/05 PSA値 0.054
*2023/03/06 PSA値 0.042
*2023/09/04 PSA値 0.040
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*2024/03/04 PSA値 0.041 開業医にてPSA検査
*2024/09/12 PSA値 0.033
PSA検査は68歳ごろからかかりつけの内科医院で行っていましたが、70歳のときPSA値4.0を超えた為、中電病院(企業病院)の泌尿器科担当医を紹介され、初めての針生検では異常なし。その後約7年間経過観察した経緯があります。PSA値10を超えたとき、さらに高度技術をもつ広島大学病院を紹介されました。そこで、前立腺のエコー映像と病変部のあるMRI画像と同期をとり、ピンポイントで細胞片を採取し、2回目の針生検をしたものの異常がありませんでした。
広大病院で経過観察しながら、結局77歳(2020年8月)のとき、PSA値13.2で3回目の針生検により前立腺がんが見つかりました。
2021年2月1日~3月29日まで、「広島がん高精度放射線治療センター(通称HIPRAC:ハイプラック)」にて、IMRT(強度変調放射線治療)による放射線治療を延べ39回(78Gy:グレイ)を受けました。詳細経緯は、当ブログ「前立腺がん治療日記01~15」を参照してください。これから放射線治療を受ける方や迷っている方など、前立腺がん治療のことについて少しでもお役に立てればと思います。
近年、男性とって前立腺がんは罹患率の高い病気です。私の友人にも前立腺がんに罹り、手術した人が数人います。原因は、食生活の欧米化・高齢化・遺伝などありますが、まだ決定的な因果関係は分かっていません。前立腺がんは早期発見・治療することで完治可能な病気です。
私もそうでしたが、PSA値が上昇しても自覚症状がなく、前立腺がんが発覚したときも同様、何の自覚症状もありませんでした。逆に、自覚症状がでたときは手遅れになります。60歳以上の人は、PSA検査を受けることをお勧めします。
前立腺がんに罹り、放射線治療又は全摘手術され元気に過ごされている芸能人は、タレント 間寛平さん、野球評論家 角盈男さん、建築家 安藤忠雄さん、タレント 西川きよしさん、演出家 宮本亜門さん、映画監督 三谷幸喜さんなどがいます。残念ながら前立腺がんで亡くなった著名人は、俳優 西郷輝彦さん (享年75歳) 、歌手 守屋浩さん(81歳)、俳優 浜畑賢吉さん(81歳)、棋士 米長国雄さん(69歳)、歌手 三波春夫さん(77歳)、映画監督 深作欣二さん(72歳)、先日訃報のあった ハッピー&ブルー 敏いとう(84歳)さんもそうです。
前立腺がんの多くは、外腺にできるので、隣接するリンパ腺や骨に転移しやすいのです。前立腺がんは、進行の遅いがんなのでほっておいても大丈夫とか、前立腺がんに罹っていても死亡原因は別の病気で亡くなることの方が多いと言われています。しかし、病状は人それぞれなので、転移した場合は全身に及ぶので確実に手遅れになります。私の場合、早期発見でしたので、放射線治療後、現在のところ順調に推移しています。