天気予報よもやま話 「天風禄」から学ぶ台風10号の進路図の見方


出典元(気象庁)

予想される中心気圧935~955ヘクトパスカルである事から、史上最強クラスと言われている台風10号が、28日には奄美地方に、29日には九州南部に非常に強い勢力で接近する見込みとなっています。しかも、日本列島をなぞるように縦断する進路予想です。今回の台風は速度が遅く、長時間にわたり大雨や暴風の影響を受ける恐れがあります

私の住む広島県(広島市)は、瀬戸内海の中ほどに位置しており、中国山脈や四国山脈のおかげで、山間部は別として7つの川(現在は6つ)で知られる広島市内は、太田川放水路(川巾が広い)もあり、比較的被害が少ない方です。しかし、2014年8月数百年に一度より少ない確率の記録的な集中豪雨で、広島市北部の住宅地の大規模な土砂災害が発生、多くの死傷者がでました。豪雨を伴う史上最強の台風10号も油断大敵であります。

実は、我が家では朝日新聞を長い間 購読していましたが、サラリーマン退職後は、地域密着の観点から、全国紙と比べてローカル記事やチラシ広告も多いローカル紙「中国新聞」に切り替えました。中国新聞には、1面コラムとして「天風禄(てんぷうろく)」があります。朝日新聞の「天声人語」みたいなものです。いろいろな視点で時の話題やトピックが取り上げられ、毎日興味深く読んでいますが、とても面白いです。

本日28日の天風禄は、天気予報の話題が取り上げられていました。天気予報の決まり文句は、川柳の種にもなる。「かもしれない天気予報の免罪符」の書き出しから始まって、《予報士の「ところにより」はここかしら》と・・・保険をかけているお話や、台風10号が迫っている中、進路を占う天気図で、破線の丸がやけに大きいなど。この破線の丸は「予報円」というものだそうです。上陸間近だというのに、こんな予報円は珍しいと言う。

破線の丸(予報円)は、70%の確率で円内を台風の目が通ります。予報円とは、つまり「かも知れない」円なのです。予報円の中心位置(台風の目)を、線で繋いだコースを台風経路と思っていましたが、そうではないことを知りました。必ずしも予報円の中心を台風が沿って進むわけではありません。

冒頭の気象庁の天気図では、28日午前8時現在の確実な台風経路は青色線です。その後予想される台風進路は、大きくなってゆく予報円の中心とは限りません。円周側に近いところを進んで行く可能性もある訳です。なので、暴風圏は予報円よりもっと大きくなります。

8月31日午前3時の予報円は、中四国がほぼすっぽり入ります。台風の中心は、現在の気象技術をもってしても、70%の確率で予報円のどこを進んでゆくのか分かりません。まさに「かもしれない」円に過ぎないのです。今回の気象予報の話題に限らず、天風禄からいろいろな話題が入手できます。本日の天風禄を読んで天気図の見方が変りました。

中国新聞の「天風録」は世の中の動きを分かりやすい言葉で切り取る読み物です政治や経済、事件・事故、文化、スポーツなど、幅広い取材経験を持つ論説委員が交代で担当しています。「すてきだな」「なぜだろう」「何か変だぞ」。より多くの読者の心に届けるために、テーマや材料、文章の組み立て、使う言葉をじっくり選びます。担当者が最初に書いた原稿は他の論説委員にも見せて、意見を出し合い、何度も手直しをします(中国新聞による紹介記事を抜粋)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です