柚月裕子さんの本が面白い「検事の本懐」ほか

 

映画「孤狼の血」の原作者と言えば分かりやすいと思いますが、柚月裕子(ゆづきゆうこ)さんの本が面白いです。まだ4冊しか読んでおりませんが、いずれも期待を裏切りません。
「このミステリーがすごい!」大賞受賞ほか多数~近年着実に評価をあげている女流作家です。

彼女の本は、今回はじめて読みます。
手始めに読んだのが「最後の証人」です。
続けて、「検事の本懐」「検事の死命」と読んだのですがどれも面白いです。

三作品は法廷ミステリーですが、ヒューマンドラマでもあります。
物語は一話完結になっていますがすべて繋がっています。

 

検事をやめて弁護士になった佐方貞人が、正義とは何か~犯罪の背景にある動機を重視し罪を全うに裁く事とはどういうことなのかその人間が犯した罪で裁かなければ意味がない~という正義のもとに物的証拠からも有罪と思える被告人の犯罪を土壇場でひっくりかえす醍醐味にハマってしまいます。一気読み請け合いです^^ ちなみに三作品はすでにテレビドラマ化されています。

 

佐方貞人の生き様もさることながら、すでに亡くなった彼の父親も弁護士であったが、恩義ある友人の金を横領し罪を問われ、全額返済しているのにも拘らずあえて刑事罰に服するという・・・
父親の犯罪は佐方にとって職業上のハンディにもなる出来事なのに、言い訳ひとつせず仕事を全うするのですが、この父親の犯罪にはとんでもない秘密があったのです。
小説ではありますが、この息子にしてこの父親はすごいなと思ってしまいます。

 

柚月裕子さんの発想やアイディアはどこからくるのか、警察や法廷関連の知識の豊富さ感服します。柚月さんは岩手県出身ですが、小説に出てくる佐方貞人は広島県出身になっています。
最後に読んだ「孤狼の血」の舞台も広島県(呉を模した架空の街『呉原』)になっています。
飛び交う広島弁がすごいです。 私も広島県人なので言葉が響きます^^

「孤狼の血」は本を読んだ後に、DVDを借りて映画も見ました。
読んでから見ることになりましたが、原作よりエグイところもありましたがビジュアル化の凄さを感じました。

 

映画は、冒頭から豚小屋で男性の拷問シーンから始まります。
なんと豚の肛門からウンチがでるところズームアップ!
このウンチを男性の口に押し込み、草刈り用のハサミで指を切り落とすというシーンの描写がリアルでした。この頃R15指定が普通になってきました。役所広司演じるアウトローの大上と、松坂桃李演ずる新人の日岡がこの物語の主人公です。

 

日岡(松坂)が「正義とは何ですか」と大上(役所)に問い正すシーンがありますが、佐方定人シリーズと同じく、作者の一貫した犯罪を裁く作品のテーマが伝わってきます。
エグいシーンは多いですが、ただのヤクザ映画とは違います。
この映画で役所広司は第42回日本アカデミー賞(2019年)で主演男優賞、松坂桃李は助演男優賞を受賞しました。原作が良かったのだと思います。

 

話は変わりますが、この4冊と先に読んでいた別の2冊を合わせて、書籍店「フタバ図書」に買い取りして貰ったところ、なんとベストセラーの「孤狼の血」は10円でした^^;
買ってそんなに日が経ってないのにほんと安いです。
ゴミになるので買い取って貰っているだけなので、読みたい人がいたらタダで譲りたいです。

 

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