日別アーカイブ: 2022年6月7日

放射線治療後1年3ヵ月(経過観察)PSA値0.098で順調に推移

広島がん高精度放射線治療センター(通称HIPRAC:ハイプラック)にて、昨年2月1日~3月29日まで、IMRT(強度変調放射線治療)による前立腺がんの放射線治療を延べ39回(78Gy:グレイ)を受けました。治療終了後から3ヵ月毎に、腫瘍マーカー検査であるPSA検査による経過観察を受けています。

先日6/3 広島大学病院泌尿器科へPSA検査に行ってきました。治療後  5回目のPSA検査になります。大学病院の待合室は、毎回 患者で溢れています。採血まで待機30分、採血後 検査結果が判明するまで1時間、診察待ちで30分、大学病院に着いてから約2時間は待たされます。

今回の検査結果は、PSA値0.098 (ng/ml)でした。順調に推移しており、ほっとしています。2020年7月PSA値13.0の時、針生検実施の結果 前立腺がんと判明~治療方針が決まり、放射線治療5ヵ月前からホルモン治療を開始。7ヵ月間のホルモン治療と2ヵ月間(39回)放射線治療を受けました。

 治療後のPSA値推移 

*2021/03/29 放射線治療&ホルモン治療終了
*2021/06/11 PSA値 0.147
*2021/09/10 PSA値 0.092
*2021/12/10 PSA値 0.160
*2022/03/04 PSA値 0.147
*2022/06/03 PSA値 0.098

放射線治療の場合 、2回の検査で連続して最低値からPSA値2.0以上、全摘手術の場合、 PSA値0.2以上で、再発と判断されます。前立腺がんの手術(全摘)または放射線治療後は、PSA検査による定期的な経過観察は必須となります。

私の場合、かかりつけの医院の勧めで、67歳(2010年)からPSA検査を半年に1回のペースで始めました。当初はPSA値3.2でしたが、70歳のとき、PSA値4.2(正常値4.0以下)を機にかかりつ医院の紹介で、2013年7月より、中電病院(中国電力)にて検査と経過観察、その間、MRI検査5回、針生検も3回(内2回は連携先の広島大学病院にて実施)しました。7年目(77歳)にして3回目の針生検で前立腺がんが発覚。その後、治療は、広島大学病院泌尿器科と放射線治療科 (HIPRAC)の連携で行うことになり、前立腺がん治療は昨年3月を以て終了~今日に至っています。

長寿による高齢化・食事の欧米化・PSA検査向上により前立腺がん罹患率が増えています。国立がん研修センターによる「2021度がん罹患数予測」では、男性の部 1位:前立腺 2位:胃がん 3位:大腸がん 4位:肺がん 5位:肝臓がん。ちなみに、女性の部 1位:乳がん 2位:大腸がん 3位:肺がん 4位:胃がん 5位:子宮がん となっています。

ネット上には前立腺がん手術(全摘)による治療(闘病)経過は、患者さん自らのブログや投稿記事がネット上にたくさん紹介されています。私も同病者として参考になる内容が色々とありました。しかし、放射線治療方法については、病院などのホームページで詳しく紹介されているものの、放射線治療を受けたご本人による治療・闘病などの具体的なブログや投稿記事は意外に見当たりません。

「前立腺がん治療日記」はNo15を以て終了させて頂きましたが、今後は放射線治療後の経過観察状況を、折にふれ紹介して、同世代の方、前立腺がんを罹患している方への参考になればと情報発信をしてゆく積りです。前立腺がんは早期発見し適切な治療を受ければ完治を望めるがんです。

放射線治療は照射技術が向上し、前立腺がんに対する効果が高く、手術による治療成績と同等と言われています。高齢の罹患者の方は、生活の質(QOL)を落とさないためにも、放射線治療をお勧めします。また、60代を過ぎてPSA検査を一度も受けていない方はぜひ検査を受けてください。私もそうでしたが、前立腺がんが発覚しても自覚症状は一切ありません。

前立腺がんは外線に発生する悪性腫瘍で、隣接のリンパ腺や臓器に転移します。内線に発生する良性腫瘍の前立腺肥大は、転移することはありません。前立腺がんは進行の遅いので、ほっておいても大丈夫とよく言われますが、自覚症状が出た時は手遅れになります。