パソコンに使われているパーツの中でも、常に高速回転(毎分5400回転~7200回転)しているHDDは、数年も経てばいつ故障してもおかしくない環境にあります。
USB接続の外付HDDにおいては、最近のものはファンレスタイプが多く、夏場は思いのほか温度が高くなります。
外付HDDには、バッファロー、IOデーター、エレコム、ロジテックなどの製品がありますが、中身はWD(ウェスタンデジタル)、シーゲート(Seagate)製がほとんどです。
国内メーカパソコンの内臓HDDは、信頼性の高い日立製(現在はWDが買収)がよく使われています。
HDDは実際のところ、どの位の寿命があるのでしょうか?
ネット上にもいろいろ見解が紹介されていますが、一般的には市販HDDクラスで1万時間くらいが無難なところかなと思います。一日8時間使用で3年、5時間であれば5年いったところでしょうか。
現在使用しているデスクトップPC2台は、購入後満8年(Vista)と5年(Win7/10デュアルブート)になりますがHDDは健在です。 昨年壊れたXPパソコンは10年使いましたがHDDは問題ありませんでした。
いずれのPCも当初搭載HDD(1TB)に2TBを増設し、それぞれ3TB(1TB+2TB)内臓HDDパソコンにしています。 増設時HDD冷却用のファンも別途工作して取り付けていますので真夏日でも40℃をこえることはありません。
私の場合、用途により複数のパソコンを使い分けており一台だけを使い切る形ではないので多少HDDへの負荷は少なくなっているかもしれません。
「CrystalDiskInfo(クリスタルインフォ)」というソフトを使ってHDDの電源投入回数や使用時間、温度などのS.M.A.R.T(スマート情報)一覧が確認できます。 HDDメーカによって表示される項目は違います。
特に05、C5、C6はHDDのダメージに影響ある項目になります(0であれば問題なし)。
「正常」「注意」「異常」の3段階で評価した健康状態と、現在の温度は大きな文字で別途表示されるため、ドライブを交換する時期の参考になります。
下記は8年使用のVistaパソコンのS.M.A.R.T情報ですが、当初搭載の日立製HDD(1TB)の総使用時間は11,010時間なので、3.8時間/日になります。
※増設HDD2TB(シーゲート製)
※当初搭載HDD1TB(日立製)
HDDの寿命を延ばす為には、温度管理と電源のオンオフの回数(スリープも含む)を少なくすることです。
HDD稼働中の磁気ヘッド(データの読み書き)とプラッター(円盤上の磁気ディスク)は、数ナノメートルの隙間を保ち非接触で高速回転をしています。 この隙間は髪の毛の太さの約100万分の1、タバコの煙の粒子の100分の1程度しかありません。
リアル空間に置き換えれば、大きなジェット機が地上数ミリをすれすれ飛行しているのと同等だそうです。
HDD高速回転中に衝撃があるとヘッドが磁気面を大きく傷をつけてしまうのは言うまでもありませんが、電源のオンオフや、スリープ状態(省電力)になると磁気ヘッドはペタッと接触します。 物理的に接触回数が多くなれば磁気面へダメージも大きくなります。 HDDにとっては回しっぱなしの方が寿命的には好影響となります。
HDDの温度は「室内温度+本体(筐体)発熱温度」で決まりますが、冬場は25℃前後であっても夏場は45℃くらいになります。 40℃~45℃は安全圏ですが、50℃を越えるとHDDの故障率は著しく上昇します。
それほど神経質になる必要はありませんが、使用方法や環境を少し気をつけるだけで寿命を延ばせるのは事実ですが壊れるとき壊れます(笑) 耳知識として少しでも参考になればと思います。