世界最大の販売台数を誇るフォルクスワーゲン(VW)が、自社製ディーゼル車の約1100万台に、排ガス規制に適合するよう、「無効化機能(ディフィート・デバイス:Defeat Device)」と呼ばれる違法なソフトウェアを搭載していた事が米環境保護局(EPA)によって指摘されました。
検査の時だけ、適合値になるよう排ガス浄化装置がフル稼働するようコントロールし、通常走行時は 浄化装置を無効化にするため、窒素酸化物(NOx)が基準値の10倍~40倍になるそうです。 EPAの追及に、エラーだと一年間も弁明して逃れていたというから、悪質で消費者を欺いた罪は大きいですね。
最大180億ドル(約2兆円)の制裁金が課せられることになったようですが、これから集団訴訟なども予想されさらに何十億ドルの費用もかかる可能性もあり、世界有数の優良企業なのにVWもバカなことをしたものです。
不正ソフトの仕組みは、ステアリング操作・エンジン回転数・ホイル位置などから、検査時なのか通常走行時なのかを判断。 テスト時は、ステアリングは動かないし、走行パターンによるアクセルワークやスロットル開度も規則的だし、ホイルはローラ上を回転するだけなので、各センサー情報から通常走行との違いを察知。
そのプログラムを電子制御装置内に組み込むという実に巧妙な仕掛けであります。
こんなこと現場の一存で出来るはずもないし、トップが知らなかったとは考えにくいですねぇ。
排ガスを規制値に抑えると、燃費が悪くなりエンジン本来の性能も発揮できなり、技術的にクリアするにはコスト高になる事から考えられたようですが、VWは会社の存続にかかわる取り返しのつかない大きなツケを払うことになりました。