「老老介護」承諾殺人 夫婦で交わす最後の会話に涙(広島)

 

「今日死ぬか」と72歳の夫が問う。寝たきりの80歳の妻は「ええよ」。それが49年間連れ添った2人の最後の会話だったという。7月3日 中国新聞一面にあるコラム「天風禄」の冒頭の書き出しであります。

ふたりに子供はおらず、広島市内に住む近所では長年おしどり夫婦で有名だった。夫(72歳)は、今年4月、自宅で妻(当時80歳)から承諾を得たうえで、首をマフラーで絞めて殺害した承諾殺人の罪に問われていました。自らもカッターナイフで手首を切って自殺をはかったが未遂に終り、後追いは果たせなかった。冒頭陳述で検察側は、「被告はがんを患い体力が弱まる中で、脳梗塞などで動けなくなった妻の介護を続けていたが、限界を感じるようになり、心中を持ち掛けて犯行に及んだ」と指摘。

妻は6年前に脳梗塞で左半身麻痺になり、介護なしでは歩けなくなった。介護認定は受けたものの他人に迷惑をかけたくないと、介護施設への入居を拒んでいたそうです。しかし、自宅で介護をしてきた夫もがんが再発、心身ともに追い込まれ疲れ果ていたことは想像つきます。夫も「やれんのよ」と近所の人に漏らしていたという。妻も精神的に落ち込みいつも「死にたい」という妻の言葉に、冒頭の会話へ繋がったのかと思うとやるせない気持ちになります。

広島地裁はがんの闘病生活を送りながらの介護など酌むべき事情があるとして7月2日 懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました(冒頭写真は広島地裁)。この心中事件の経緯は新聞などでご存知の方も多いと思いますが、これから超高齢社会に突入する時代において他人事で済まされません。

裁判官は判決の言い渡し後、「長いこと奥さんのために尽くしてきたと思いますが、今後は自分のことも考えて、心穏やかに過ごしてください」と被告に語りかけた。

 

「老老介護」は社会問題でもあり、高齢社会におけるテーマでもあります。「自分一人でなんとか頑張らなくては」と抱えるような社会にしてはいけませんね。高齢者も日ごろから健康管理をしっかりしておかねばなりません。

高齢社会を生き抜くためには、介護問題と併せて、少しでも他人の手を煩わさない健康寿命を延ばすことが大事です。2019年(最新) の「平均寿命」と「健康寿命」は以下の通り。毎年7月30日厚生労働省より、前年度のデータが発表されます。

 平均寿命 (0歳から死ぬまでの年数)
男性:81.41歳 女性:87.45歳

 健康寿命 (平均寿命から寝たきりや認知症などの介護期間を除く年数)
日常生活を制限されることなく健康的に生活を送ることのできる期間のことをいいます。「日常生活の制限」とは、介護や病気などを指し、自立して元気に過ごすことができない状態です。
男性:72.14歳 女性:74.79歳

現在◯◯歳の人が、あと何年生きられるかという平均余命(簡易生命表)というのもあります。
例えば、現在70歳の人は、15.96歳を加えた85.96歳まで生きれるという事です。平均寿命を超えてしまいますが、人は高齢になればなるほど、統計的に平均寿命を超えて長生きします。
「平均寿命」は、「0歳時の平均余命」と言えます。

 


出典:「厚生労働省」Webサイトより


出典:「厚生労働省」Webサイトより

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