映画を観る時 あなたは字幕派、それとも吹替え派ですか?
私はもちろん字幕派です。 特に洋画ファンにとっては、生セリフでないと映画を堪能できません。 吹替えはイメージにあった声優さんを使うのでしょうが、やはりオリジナルのニュアンスが伝わってこないと思います。 しかし、今の若い人は吹替えを好むようです。 字幕を読むのが面倒くさいと・・・ 活字離れも背景にあるのかもしれません。
草分け的な字幕翻訳者であり、通訳でもある戸田奈津子さんがあるTV対談で言っていたのですが、映画の字幕は、1秒3文字の世界だそうです。 つまり、4秒のセリフであれば12~13文字(4×3)で表現しなければならないという事です。
直訳すると42文字になる字幕(セリフ)を事例として紹介していましたが、字幕を読むのに忙しく とても映像を見るヒマなんてありませんでした。 映画の字幕は、しゃべっている間に読みきれる日本語にするのが一番の基本だそうです。 何文字使ってもよい本の翻訳と全く違うのです。
字幕翻訳者は、直訳し原文に近いものを掴み、セリフのエッセンスを失わないよう12文字~13文字で表現するスキルが求められるのです。 英語力もさることながら、語彙豊富な日本語力がないとダメだそうです。
戸田奈津子さんのことを誤訳が多いとか原作を無視しているとか悪く言う人がいますが、そういう背景を知った上で指摘しているのか疑問です。 本格的な初仕事は43才の時、コッポラ監督のご指名で「地獄の黙示録」だったそうです。 「スターウォーズ」や「タイタニック」など色々彼女の字幕翻訳をを観ていますが全然問題ないです。 映画は、評論をぶつのではなく楽しみながら観たいものです。