日別アーカイブ: 2019年8月10日

DVD-RとBD-Rの書き込み速度について

 

パナソニック製BD-R DL 50GB(1-4倍速)のメディアを、日立LG製BH16NS48(SATA接続)で焼くと、なんと倍速の8倍速記録が可能となります。パナ製6倍速のBD-Rを使えば12倍速になります。焼いたものはPS4、市販BDプレーヤー、ほかのパソコンBDドライブで問題なく正常に再生します。

 

*パナソニック製BD-R 50GB(1-4倍速)のライティングが8倍速に!

 

DVD/BDドライブのファームウェアとメディア(パナソニック・ソニーなど)で条件が合えば倍速書き込みが可能になります。
昔、パイオニア製BDR-SO6Jドライブでも、パナソニックやソニーの6倍速BD-Rで12倍速での記録が可能でありました。

 

パソコンなどに搭載されるDVD/BDドライブは、現在では16倍速記録は当たり前、24倍速記録の商品もあります。
一方 光学メディアは、16倍速DVD-Rはありますが、BD-Rは6倍速までとなっており、8倍速以上のBD-Rは、店頭でお目にかかったことがありません。発売されていたとしても、かなり高価なものになると思います。

どういう仕組みでそうなるのか分かりませんが、4倍速・6倍速のBD-Rが、光学ドライブのファームにより、倍速の8倍速、12倍速でライティングできるのであればけっこうなことであります。

 

ところで、「〇〇倍速書き込み」って何?

 

CDの場合は、650MB(74分)で記録する速度を1倍速としています。
650MB × 1024(1MB=1024KB)÷ (74分×60秒)=149.9KB/s(約150KB/s
1秒間に150KBのデータが記録されるという意味です。
※ MB:メガバイト、KB:キロバイト

DVDは、市販DVDビデオの再生速度を基準として算出されており、1倍速は1,385KB/sに相当します。DVDの書き込み速度はCDの約9倍になります。
逆算すると、DVD 4.7GBへの1倍速記録は約60分になります。

 

DVD4.7GBの1倍速書き込みが60分なので、2倍速で30分、4倍速で15分、8倍速で7分30秒、16倍速で3分15秒で書き込みが完了します。あくまでディスクの内周から外周まで同じ速度で書き込んだ場合の理論値なので、実際には後に述べる理由で各々約50%増しの時間がかかりますし、ベリファイ作業をすればもっとかかります。

 

光ディスクの回転方式は大きく二種類あり、一定の回転数で回転する回転方式(CAV方式)と、一定の線速度になるよう回転する回転方式(CLV)があります。前者は高速アクセス(シーク)に強く、後者は映像や音声の様な固定ビットレートで記録する場合に適した回転方式で、ディスクのどの場所でも1ビットの記録面積は最小かつ一定となり記録密度が高くなります。

 

一見、CLV方式が安定した書き込みが出来るように見えますが、線速度を一定にするためには、光ディスク自体は外周よりも内周部の方が円周が短いため、内周部に書き込むときは外周より回転速度を上げなければなりません。

仮に、最内周部分を16倍速で焼くとなると、毎分1万回転を軽く越えてしまい、物理的にディスクを損傷させてしまいます。DVD/BDメディアが安全に使用できるのは約1万回転までですので、内周部では4倍速くらいに落し、外周側で16倍速にするといったCAV方式が採用されています。
16倍速記録であっても内周から外周まで一律ではなく外周側の一部エリアだけなのです。
近年では、両者の長所をとったZCAV方式やZCLV方式というのもあります。

 

十数年前は、書き込み速度は遅いほど良いと言われていた時代もありましたが、ディスクの製造技術向上によって、16倍速で書き込んでも何の問題もありません。
私はDVDの書き込みはすべて16倍速です。ベリファイでチェックしてもエラーはありません。

 

光ディスクの回転に応じて、ピックアップのレザー光の強さはコントロールされており、回転が上がれば強くなり、下がれば弱くなるよう調整されていますので、高速記録であってもデータ抜けはなく、低速記録と同等な記録深度・密度は確保されています。

 

記録データの品質を安定させるためには、「低速度で記録する」事ではなく、「メディアとドライブに合った速度で記録する」事が大切と言われています。