イチローという男〜、WBCの試合を通し、彼の侍魂をみた!
いつも冷静沈着なイチローが対韓国戦でフェンスぎりぎりの打球を観客に邪魔されて捕れなかった時、あんな感情むき出して怒ったリアクションはかってみたことがない。
アジア予選の韓国を指して言ったと思われる「30年発言」や二次リーグで負けて「屈辱的だ」とか「汚点を残した」とも言った。
ファールボールを打席に立っているイチローにころがしたり、グランドに韓国国旗を立てたり挑発もあったが一連の過激な発言はいつものイチローとは違っていた。
韓国はメジャーを6人も投入したチーム、日本は松井、井口に断られ日本はベストとは言えなかった。
それにひかえイチローは無条件に参加を表明。「世界の王さんに恥をかかす訳にはいかない」と〜〜ドラマがすべてここから始まっている。
二次リーグで一勝二敗、当時はメキシコがアメリカに勝っても微妙な状況。あの時点では準決勝の望みは限りなく絶たれていた。 松井が出ていたら〜という世論の声もあった。
イチローの耳に入らない訳がない。 日本チームのリーダ的存在だった彼にとってこれほど悔しいことはない。「汚点を残した」というコメントを残しその夜は酒を飲んで荒れたという。
それだけこのWBCにかけたイチローの真剣さとくやしさの現れで熱い思いが伝わってくる。準決勝が決まった時、「この試合に負けるわけにはいかない」というイチローの秘めたる闘志が胸に響いた。そして6対0の圧勝。
韓国との3度の対戦、メキシコの勝利で準決勝進出の奇跡、そして世界一に〜。 なによりもまさる感動のドラマだった。
「いい仲間にめぐり合えた」 「これだけチームメートと同じ気持ちでひとつの目標に進んだことはない」 インタビューで感極まり、「もう、やばいッス」と声を詰まらせた。 全員と固い握手を交わし見送りもしたイチローは最後までかっこよかった。
彼は只者ではない、まさに日本の侍だ! 最後まで絵になる男だった。